2018年9月17日月曜日

いよいよ本番です

日付変わりまして、本日いよいよ、第10回定期演奏会です。
最後のリハーサルを終えて、テンションMAXです。
当日券は指定席が約20席、自由席は十分な枚数をご用意しております。
12:30から当日券を販売致します。
13:30開演ですので、お間違えなきよう、お願い致します。



2018年9月14日金曜日

曲目解説(3)

ブラームス 交響曲第1番ハ短調、Op.68
 1876年完成

 ベートーヴェンを意識するあまり着想し始めてから約21年の歳月を経て世に出されたといわれる交響曲。なぜ、こんなにも時間がかかってしまったのか。
 とにかくブラームスという人は、自己否定が強く、内向的で、完璧主義者といいましょうか……。18歳以前に作曲したものは自身の手によって処分され、残っていないということです。しかも、わざわざ楽譜を返してくれるよう手紙を出し、取り戻したともいわれています。その数、150曲余りにも及ぶといいます。
 さて、作曲家にとって交響曲を書くということは、楽曲自体、大規模でもありますし、自分の渾身の大作を残そうと思うとかなりのプレッシャーのかかることでしょう。しかも、この時代以前のハイドンやモーツァルトが活躍した古典派といわれる時代には交響曲は完成され、ベートーヴェンという鬼才が現れ、大きな発展をし、ある意味、新しいことはやり尽くされたような時代に、音楽界に生まれてきた訳で。そんな音楽の流れを古いものと思わず、敬意を抱き、よく研究してきたブラームスにとって、また、かの性格ゆえ“交響曲” というものへの特別な思いは計り知れません。それが21年の歳月だったのでしょう。
 1876年11月4日、フェリックス・オットー・デッソフ指揮、カールスルーエ宮廷劇場管弦楽団が初演。初演後も改訂が続けられ、決定稿が出版されたのは翌年1877年でした。
 完成した時には43歳で、芸術・文化の中心地ウィーンにおいて、彼は作曲家として、またはウィーン楽友協会の音楽監督としてもすでに活躍をしていた歳です。そんな彼がまだ交響曲を1曲も世に出していなかったとは!また出さずして、こんなにも音楽家として成功を収めていたなんて!さぞかし、この作品が発表された時には、随分と注目をされたことでしょう。それが分かるちょっとした事件が、初演が行われたその年にありました。イギリス、ケンブリッジ大学から名誉博士号を授与したいと申し出が来ます。これには、授与式と特別演奏会が用意されました。堅苦しい式典や名士扱いされるのを嫌がったブラームスは渋っていたそうですが、同じく授与の申し出をもらっていたヨアヒム(長年来のブラームスの音楽の友人であり、先輩)やクララ・シューマンなどの勧めにより、イギリス行きが準備されました。しかし、その特別演奏会では完成目前の第1番目となる交響曲が披露されるのではないかと噂をされてしまい、会場までも熱狂的に「自身による演奏を希望」と発表してしまうのでした。その騒ぎを耳にしたブラームスは「忙しくなって伺うことができなくなった」、「船が怖くて乗れない」などと言ってキャンセルしてしまったとのこと。せっかく書き上げた初の交響曲とそれを期待する聴衆に対しても、この対応。芸術という自己表現の世界に身を投じているのに、内向的という矛盾した性格の複雑なブラームスが垣間見られます。
 自分の作品に関し、滅多に口にしないブラームスが、唯一語った言葉「音の中で私は語っている」。誰しも聴けば、この作品にかけた長い人生と交響曲への情熱を曲から感じることができるでしょう。さぁ、ブラームスの力強い音楽の鼓動が打ち始めます。

曲目解説(2)

モーツァルト ピアノ協奏曲第23 番イ長調K.488
 作曲年・初演1786 年

 次に演奏しますのは、先ほどのオペラが書かれた前年のこと。モーツァルトは23~25番の3曲のピアノ協奏曲を作曲しています。23番は、同年に開かれた3 回のモーツァルトの予約音楽会のために書かれました。
 予約音楽会とは、今のような事前にチケットを買ってもらい開かれる一般的なコンサートのスタイルです。当時としては、新しい形であったようです。音楽家は宮廷音楽長になるなど“公職” に就いて活動することが、一般的でした。彼はというと、小さい頃から父親に連れられ“神童” として各地を回り、まるで見世物のように天才ぶりを披露していました。ところが、青年になると一変、ウィーンの女帝マリア・テレジアには、「乞食のよう
な容貌で物乞いする一家」と評され、また彼自身のプライドの高さも災いして、なかなか職に就くことができませんでした。そこで、ウィーンに定住し、フリーの音楽家という新しいスタイルを選び、活動・新曲を披露する場として、この予約演奏会というものを開くのでした。とはいっても、モーツァルトは人気作曲家でしたから、1回の演奏会での報酬は約700万円程だったといわれております。そんな新しい音楽活動を順風満帆に行っていたと思われる時期の作品です。
 この作品は、他のピアノ協奏曲とは、作曲方法が違ったといわれています。いつもはピアノパートをスケッチの段階で、オーケストラ全体と共に入念に仕上げていましたが、この作品において、ピアノパートは最初からカデンツァなど細部に至るまで完全な形でまずは作曲されたそうです。また、他の協奏曲においては見られない、通常であると即興によって演奏されるカデンツァもこの作品では第1楽章に完全に記され、第2・3楽章にはカデンツァは置かれておらず、また、どこにも入る余地が示されていないことから、いつもは非常に好んでいる即興演奏を与えなかったことになります。それはこの作品の音楽的な完成度にいつも以上にこだわりがあったからではないかといわれています。そんなモーツァルトのこだわりのピアノ協奏曲をお楽しみください。
 

レーゼル登場!

本日はレーゼル氏を迎えてのリハーサルでした!
触発されてオケの音も変わってきました、本番が益々楽しみです。

2018年9月12日水曜日

曲目解説(1)

モーツァルト 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527より序曲 作曲・初演 1787年
- 愛らしきご婦人よ うちの主人が愛でた美女のカタログとはこれのことです。
あっしが作りましたカタログでしてご覧下さい 一緒に読んでみるとしましょう
イタリアでは640人 ドイツでは231人 フランスでは100人 トルコで91人
おまけにここスペインではもうすでに1003人ですよ - 『恋のカタログの歌』より

 この歌よりドン・ジョヴァンニがどんな人物なのかお分かりいただけるでしょう。このオペラの題材はスペインを舞台に広く言い伝えられたプレイボーイ「ドン・ファン伝説」です。
 この作品は、モーツァルトが31歳の時、プラハで歌劇『フィガロの結婚』が大ヒットしたことにより、プラハの劇場より翌シーズンの作品を依頼され作曲されました。この序曲に関しては、天才モーツァルトと言われた彼でさえ、納期ギリギリの前日の夜から書き始め、徹夜で書いたと言われています。でも、一晩で書けてしまうところは、さすが天才。若く35歳で亡くなってしまった彼にしてみると、作曲家人生として最盛期であり晩年の作品になります。
 「ドン・ファン伝説」を題材にした作品は数多くあり、女性の私からすると、なぜこんなどうしょうもない男の話が魅力的なのか疑問ではありますが、この序曲は、心奪われます。ドン・ファンの謎めいた魅力と物語に引き込まれてしまうような衝撃的な序奏からスタートします。それもそのはず、オペラの幕開けにして、”地獄の扉”が開くというクライマックスのシーンから始まるのです。ある晩、騎士長の娘に手を出し、それに怒り剣を抜いた父(騎士長)を殺してしまったドン・ジョヴァンニ、その騎士長の亡霊に「悔い改めよ、生き方をかえるのだ」と迫られます。しかし、彼はこれを断り、「悔いはせぬ、心は決まっているのだ」と潔く亡霊の示す、開かれた地獄の扉へ入って行き、苦痛と共に地獄へと引きずり込まれていく。その劇的な場面から演奏されるのです。その後、場面が変わり、まるでこんな自分のラストを想像することもない陽気なドン・ジョヴァンニを表しているかのような軽快な曲調に変わりオペラ本編へと続く序曲が演奏されます。

2018年9月11日火曜日

レーゼル氏来日

レーゼル氏は奥様を伴い、本日の正午過ぎ、定刻から6分ほど遅れましたが無事に羽田空港に到着されました。
ドレスデンから飛行機を乗り継いで約15時間の長旅でしたが、ご覧のように笑顔も見られます。
本日から約一週間の滞在の間には、我々ジャパン・クラシカの演奏会とリハーサルの他、音大生向けのマスタークラスなども予定しているようです。


2018年9月10日月曜日

ご来場のお客様へ

早いもので、第10回定期演奏会まであと1週間となりました。ご来場をご予定されているみなさまにお願いがございます。

第10回定期演奏会は、例年より開演時間を30分繰り上げ、13:30開演となりますので、どうかお間違えのないようご注意ください。

第一生命ホールへのアクセスは都営地下鉄大江戸線「勝どき」駅から徒歩のほか、東京駅や有楽町駅から都バス利用も便利です。都05-1系統晴海埠頭行き、東15系統深川車庫前行き、等ご利用で「晴海トリトンスクエア前」下車ください。
スマートフォンをお持ちの方は、GoogleMapアプリ等で第一生命ホールを検索し、アクセスルートをご確認ください。

お陰さまでリハーサルは順調に進んでおります。レーゼル氏のようなスーパースターをドイツから招聘するにあたり、プレッシャーのようなものも多少ありましたが、より充実した音楽の時間を共有できそうな予感があります。
大勢のお客様とご一緒できたら幸いです。

なお、現在ローソンチケットから発売中の前売り券は9/13(木)で一旦販売を終了し、残券は当日券として販売致します。
S指定席の良いお席をご希望のお客様は、是非ローソンチケットの前売りをご利用ください。
お座席を指定してのご購入は、

演劇・クラシック専用ダイヤル 0570-000-407(オペレーター対応10時~20時)

こちらのオペレーター対応にてご購入頂けますよう、お願い致します。

まだまだ暑い日が続きますが、季節の変わり目につき、くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛ください。